橋谷社会保険労務士事務所

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2022-07-18 14:10:00

訪問介護事業所が、実地指導で指摘される内容ベスト6~10は?

 

今日は、実地指導でよく指摘される内容ベスト6以降についてお話しします。

 

実地指導対策として、何から手を付けたら良いか分からない・・という事業所は、

まずベスト5の対策を始めると良いと思います。

その対策が済んだ方は、ベスト6以降もご準備下さい。

 

この内容は、東京都福祉保健局で公開している報告書(令和元年度指導検査報告書)

から、リストにしています。

 

 

6)アセスメントを適切に実施した上で、訪問介護計画の作成及び変更を行うこと。

7)訪問介護員等の員数を常勤換算方法で2.5人以上とすること

8)変更した事項について速やかに届出を行うこと。

9)利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合は、速やか

に区市町村に連絡を行うこと。

10)サービス提供責任者について配置員数の基準を満たした上で、適切に配置すること。

 

 

どの指摘も、基本的な指摘事項であり、この内容を押さえていきましょう。

 

 

実地指導では、主にこの3つが確認されます。

 

1)人員配置状況の確認

2)運営状況の確認(ケアプラン、個別サービス計画書などの確認も)

3)報酬の算定の確認

 

 

 

 

6)アセスメントを適切に実施した上で、訪問介護計画の作成及び変更を行うこと。

 

・当日、確認されること

→事業所のアセスメントの記録があるか?

→訪問介護計画を更新する際に(一般的には、認定期間の更新時期、介護内容が変更される時)、アセスメントも同時に行われのが前提ですので、計画書の枚数=アセスメントの枚数は同じになります。

 

 

7)訪問介護員等の員数を常勤換算方法で2.5人以上とすること。

 

・当日、確認されること

→勤務形態一覧表(もしくはシフト表)とタイムカードを照らし合わせながら、訪問介護員等の員数が2.5人以上なっているか?

→2.5人には、管理者の時間は含まれません。サービス提供責任者の勤務時間は含まれます。特に、登録型ヘルパーは、常勤と違って、労働時間が細切れになるため、1日の労働時間を下記を参考にして、毎日記録して、出来れば勤務形態一覧表に残しておいてください。

 

Aヘルパー  7月4日

 

Bさん 10:00~10:59(59分)

 

Cさん 13:30~14:59(89分)

 

Dさん 16:30~16:59(29分)

 

 

Aさんが、

・自宅から直行直帰の場合(訪問時間内に記録まで済ませる)は、「計3時間」

→ 1回ごとの訪問で、自宅と訪問先を直行直帰している場合の計算法

 

・訪問後に、夕方に事務所に戻って、記録をする場合、

 「3時間+事務所までの移動時間+記録時間」

 

 

8)変更した事項について速やかに届出を行うこと。

 

・当日、確認されること

→提出された平面図と、事務所内の配置どおりになっているか

→管理者、サービス提供責任者、訪問介護員などが、変更されているか

→以前に算定されていた加算は、現在でも算定されているか

→運営規程、重要事項説明書の内容が、現在の内容になっているか

 

 

9)利用者に対する指定訪問介護の提供により事故が発生した場合は、速やか

に区市町村に連絡を行うこと。

 

当日確認されること

・行政に報告が必要な「事故報告書」が、報告されているか?

→病院の受診が必要な怪我・病気について(行政に報告が必要な事故レベル)、報告されているか。

→事故の対応が適切か?

→事故により、利用者への賠償が必要な場合、賠償が行われているか?

 

 

10)サービス提供責任者について配置員数の基準を満たした上で、適切に配置すること。

 

当日確認されること

・利用者数にあわせて、サービス提供責任者が配置されているか?

 

 

 

利用者(直近3カ月) サービス提供責任者(常勤換算)
1~40名 1人
41~80名 2人
81~120名 3人
121~160名 4人

 

 

 

 

 

 

→ 利用者40人毎に常勤1名サービス提供責任者が必要になります。

 

 

次回は、後半の指摘事項についてお話しします。

 

 

ご質問があるかたは、お問い合わせ下さい。

2022-07-06 14:26:00

介護職員等ベースアップ等支援加算が新設されました

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今回は、10月からの処遇改善加算に新加算が追加されます。それについてお話しします。

 

図で見ると、

1階部分(処遇改善加算)と2階部分(特定処遇改善加算))の間にサンドイッチされています。

 

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こちらは、今年の2月から9月まで行われている「介護職員処遇改善支援補助金」として支給されている内容を、

10月以降も引き続き行えるようにするため、処遇改善加算制度の新たな加算として新設されるものです。

 

現在、新しい書類のひな形が公開されています。

 

こちらは10月から支給されるために、8月末までに申請をしないといけません。

 

今年は、処遇改善加算の申請が山盛りですね(笑)。

 

ひな形については、こちらのサイトをご覧下さい。

新しい加算が追加されたため、改善計画書の「総括表」が変更になり、

別紙様式2-4個標ベースアップが追加されました。

ひな形自体は、介護職員処遇改善支援補助金で利用したひな形が流用されています。新加算の内容は?

 

 

新加算(介護職員等ベースアップ等支援加算)上記の図、黄色い部分

 

■ 対象:介護職員。

ただし、事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇

改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。

 

■ 算定要件:以下の要件をすべて満たすこと。

・ 処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること

・ 賃上げ効果の継続に資するよう、加算額の2/3は介護職員等のベースアップ等(※)に使用することを要件とする。

※「基本給」又は「決まって毎月支払われる手当」の引上げ

 

 

今回、先ほどのサイトで、記入要領や記入例が公開されていますので、

10月から算定する事業所は、この「介護職員等ベースアップ等支援加算」分のみを申請することになります。

 

ひな形は、今回から、この3つの加算を記入出来るようになっていますが、

記入例をみると、処遇改善加算、特定処遇改善加算の欄は空欄になっています。

 

要件を見る限りでは、「介護職員処遇改善支援補助金」を受けていたかどうかの要件がないため、

この補助金を申請出来なかった新設事業所さんも、申請可能のようです。

 

申請に関して困っている

またこの機会に、処遇改善加算制度そのものを見直したいという社長様は、お気軽にお問い合わせください。

2022-06-29 08:11:00

処遇改善加算の対象者は?拡げることも出来るの?

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今日は、処遇改善加算の対象者についてお話をします。

 

今更?と思われる方もいるかもしれません。

誰に支給するか?とうのは、非常に大事な所なので、再度ご確認ください。

 

現在、処遇改善加算は

1)介護職員処遇改善加算と

2)介護職員等特定処遇改善加算の2種類に分かれています。

 

1)の介護職員処遇改善加算は、その名称通り、介護職員が対象となります。

そのため、介護職員意外の方に支給する場合は(例えば、デイサービスであれば、管理者や生活相談員)、介護職員として、勤務している必要があります。

この対象職員が誰なのかの判定は、勤務形態一覧表に記載している「職種」で判定されます。これを作成していない場合は、事業所独自のシフト表でもかまいませんが、職種の欄があるかどうかを確認して下さい。

 

「生活相談員」にも支給したい場合は、「介護職員」を兼務している状態が必要です。

 

例)生活相談員が、2人勤務している。

・サービス提供時間(営業時間)に、生活相談員が1人以上配置されている

・その条件を満たしつつ、週3~4日は生活相談員、週1~2日は介護職員とシフトを組む

 

 

2)の対象者については、原則介護職員が対象となります。

ただし、事業所の全職員を、下記のようにグループA・B・Cにわけて支給した場合は、

Cグループは、介護職員以外も対象になります。

 

 

介護職員処遇改善加算及び介護職員等特定処遇改善加算に関する基本的考え方並びに事務処理手順及び様式例の提示について(令和3年3月16日)

 

 

賃金改善の対象となるグループ

 

特定加算による賃金改善を行うに当たり、経験・技能のある介護職員を定義した上で、介護サービス事業所等に従事する全ての職員を以下のグループに割り振ること。

 

a 経験・技能のある介護職員

 

介護福祉士であって、経験・技能を有する介護職員と認められる者をいう。具体的には、介護福祉士の資格を有するとともに、所属する法人等における勤続年数10年以上の介護職員を基本としつつ、他の法人における経験や、当該職員の業務や技能等を踏まえ、各事業者の裁量で設定することとする。

 

b 他の介護職員

 

経験・技能のある介護職員を除く介護職員をいう。

 

c その他の職種

 

介護職員以外の職員をいう。

 

 

 

とはいえ、Cグループを作ると、改善計画書、実績報告書の難易度は上がります。

 

以上のように、特定処遇改善加算であれば、対象者を介護職員以外にも拡げることが

出来ますので、介護職員とその他の職員で、給与の格差がみられ、それを改善したい場合はCグループの設定もご検討下さい。

 

何かご不明な点があれば、ご質問ください。

2022-06-22 11:44:00

新しい手当を作ったら、必ず実施することとは?

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今日は、手当を新しくしたら、必ずやったほうが良いことについてお話をします。

 

過去に手当を新設した時に、職員さんからの反応がない、反応が薄いという

事業所は、以下の方法を、お試し下さい。

 

それは、「手当についての説明会(勉強会)」を行うことです。

 

 

メリットとしては、

・ 手当を作った社長の思いを伝えられる(職員さんの反応を引き出しやすい)

・ こんな手当が欲しい、実際の現場でのアイデア等が聴ける

・ 日頃感じている、労働条件、労働環境のモヤモヤを解消できる

 

デメリットとしては、

・ 給与全般の不満についてを話を聴く、説明会になる可能性がある

・ 説明の中で、労働基準法などの法律に関する説明が必要になる

・ 業務の不満、人員の不満など、他の課題に飛び火することもある

 

 

デメリットにある、

職員のみなさんからのご不満や、

労働基準法について労働条件や環境についての説明

介護保険法、介護報酬の通達についての説明などについては、

 

社長さんと一緒に、私が説明会や勉強会に同席することで、

職員さんに向けて、説明することが出来ます。

 

 

定期的に、職員のみなさんからの質問を募集して、解消していくほうが

みなさんの不満等が小さいうちに解消することも可能です。

 

 

説明会では

① 今回、この手当を導入することになった経緯、理由

② 具体的な報酬額、モデル給与

③ 記録法や、給与のスムーズに支給するための回数の報告法

等について話をします。

 

 

特に①経緯や理由が抜けると

職員さんの反応が悪くなります。

中には、「また面倒なことを、現場に押しつけて・・」のように誤解する職員さんもいるかもしれません。

 

 

社長さんに、説明会や勉強会をしましたか?と質問をすると、

説明会の代わりに

 

・ 朝礼で1回、説明したから

・ この説明文書を作成して配布したから

・ 管理者やサービス提供責任者に説明したから

 

という回答が返ってきます。

 

もちろん、それで上手く行っている事業所もあるかと思いますが

 

実際に新しい手当が、制度として動いていなければ、

動くまで説明を継続する、職員さんが業務が出来る様に支援する必要が出てきます。

説明会や勉強会の他に、個別面談等も有効です。

 

とはいえ、何度も何度も、複数の職員に説明するのは手間ですよね。だからこその、説明会です。

なお、説明会も、動画にしておけば、回数を減らすことが出来ます。

説明会をするときは、ZOOMの録画機能を使って記録すると、それが動画になります。

 

特に集団の前だと、盛り上がってしまい、建設的な意見も含め、いろいろな意見を話すタイプであれば、

説明会、勉強会前に個別で対応し、意見を聴いておくと、説明会がスムーズに進むと思います。

 

説明会、勉強会等を開催して、新しい手当を職員のみなさんに理解してもらい、

実施に繋げましょう。

2022-06-15 11:49:00

どんな手当を設定すれば、職員のやる気が上がるのか?

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今回は職員のやる気が上がる、具体的な手当の設定方法についてお話しします!

 

賃金制度をどう変えたら、みなさんのやる気が上がるのでしょうか?

 

 

それは、「出来高払い」の手当を設定することが1つの方法になります。

 

 

メリットとしては、

・ 頑張った人が、金銭面で評価されます

・ 社内で公募をするだけで、人が集まりやすくなります

・ 常勤、非常勤を問わずに設定すると、簡単な昇給になります

 

デメリットとしては、

・ 出来高なので、集計が必要になります

・ 計算ミスをすると、モチベーションが下がる可能性があります

・ 最初から、一定数の方々は、参加しないかもしれません

 

 

デメリットにある、「集計」に関してですが、

日報や、月報の作成、上司への報告時に、回数が分かるように工夫すれば

本人からの申請を、社長さん(給与担当)が許可する形でスムーズに対応することが出来ます。

このあたりの、集計方法や、システム導入に関しては、ご相談下さい。

 

 

どんな場合に、出来高払いの手当を設定するかというと

 

1)特定の曜日、時間に人手が足りなくなる業務がある

 

2)特定の人気の無い業務、クレームが上がってくる業務がある

 

3)新たに開拓したい、提供したい業務がある   になります。

 

 

以下、例を挙げてみます

 

1)特定の曜日、時間に人手が足りなくなる

 

・ 時間帯

  早朝(6:00~9:00)、夜間(18:00~22:00)に手が足りなくなる

 

  手当案

  早朝、夜間の勤務をしたら、1回〇円を支給

  (早朝・夜間を1日2回した場合は、2回分となる)

 

 

・ 曜日

  土曜日、日曜日

 

  手当案

  土曜日、日曜日に勤務をしたら、1日〇円を支給

  また、その月の土曜日(日曜日)のシフトを全部出勤したら、

  1月〇円を支給する(精勤手当の土曜日・日曜日バージョン)

 

・ 時期

  お正月、お盆、GW手当

 

  手当案

  その期間に勤務をしたら、1日〇円を支給

  期間を全部勤務したら、ボーナス支給

  * 年度の始まりに、手当を支給することを職員に伝えておくこと。

 

* 時給で上げる、月1回の手当を支給するでは、職員へのインパクトがたりません。

 

 

2)特定の人気の無い業務、クレームが上がってくる業務がある

 

・ 人気の無い業務

  送迎、入浴、雨の日の外回り業務

 

  手当案

  人気の無い業務を担当したら、1日〇円を支給

 

・ クレームが上がってくる業務

  保険外サービス(自費)

  特に保険外サービスは、クレームに繋がりやすいので行う場合は、

  介護方法のスキルチェック、言葉使い、気遣いがあるか等をチェックしてから、業務を依頼しましょう

 

  手当案

  保険外サービスを行ったら、1件あたり〇円を支給

 

* 業務に取り組み始める時は、1日〇円タイプが良く、

  ある程度慣れてきたら、月〇円(固定)と支給すると、その職員のルーティン業務となります。

 

 

3)新たに開拓したい、提供したい業務がある

 

・ 新たに開拓したい業務

  営業業務

 

  手当案

  新しい居宅介護支援事業所、病院、他施設から紹介を受けたら、1件〇円を支給

 

・ 新たに提供したい業務がある

 

  手当案

  新たなサービスの契約を結んだら、1件〇円を支給する

 

 

 

みなさんの、参考になれば幸いです。

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2024.12.23 Monday